言われなくても、自分が一番分かってる。
私が、光の命を取る張本人だということを……
仕事だもの……
分かってる……
分かってる……
「分かってるわ……」
背中を丸めて、体を抱えて発した言葉が……思っていたよりも弱々しくて……
私は……こんなに、弱かった……?
顔を埋めて考える。
「なら、いい」
夜はただそう言った。
「意外だな」
その言葉に顔をあげると、いつも通りの夜が私を見て複雑そうに笑っていた。
「華は……変わらないと思ってた」
「……?」
私…変わったのかしら……?
「夜……私……変わったの?」
「自覚なし?」
コクリと頷く。
自分ではよく分からない……
「私……どこが変わったの?」
うーん、と夜はしばらく考えていた。
「前より感情が豊かになったな」
そうかしら……
いや、それは言われてみれば分かるかもしれないわ……
光と会っていろいろなことを知ったし……うん。
「あと、可愛くなった」
そうな、の……?
「素直になった。あと「も、もういいっ!!分かった!分かったから!」
昔馴染みにそう言われるのがこんなにも恥ずかしいとは!
「はははっ!!」
顔が熱い気がするわ……
「んじゃ、俺帰るわ」
「へ、うん…」
「華」
「うん?」
やっと顔の熱さが引いた……
「辛くても、これが俺達の、華の仕事だ」
「…………」
「忘れるな」
「……分かってるわ」
夜は私の頭を乱暴に撫でてから帰って行った。