ニンゲンなんて、私達から見れば弱い生き物。
関わることも殆どない。
だから、生きようが死のうが関係なんてないの。
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「おーい。華(ハナ)、仕事だよー」
「……また?」
めんどくさいなぁ。
ため息をつきながら私は見ていた本を机の上置いた。
「ほいよー」
「ちょっ、投げないでって言ってるでしょう!?」
わりーわりー、と笑って謝る。
そう言ったって反省なんか全然してないくせに……
この間も投げてたもの。
はぁー、とため息をだしながら黒い封筒を拾う。
それにしても……
「最近仕事多くない?」
何があったの?ってぐらいに。
「そりゃお互い様だろ。オレだって仕事でてんてこ舞いだぜ?」
「そうだけど……」
「しかも華だって一応神様なんだからさぁ」
仕方ねぇんじゃねぇの?と言ってケラケラ笑う夜(ヨル)。
………他人事ね。
ムカついたので一発殴っておいた。
「……いって!」
「一応って何よ。ちゃんと神だから」
そう………私はニンゲンの言うところの神。
ただし……
「死神だけどね」
にっこりと笑って言うと、まじこえー、と夜に明らかにふざけた感じで言われたのでもう一発殴ってやる。
「うぉっ……容赦ねぇな。さっすが、ニンゲンの命をためらいなく取る冷酷な死神の華さん。てかまじいてぇー……」
痛いとしつこく言う夜を無視して、もらった封筒の中身を見る。
「ふーん……先道 光(サキミチ ヒカリ)」
これが今回の……
「えーと……死ぬのは、半年後ね」
「へー。こりゃまた珍しく長い仕事期間で」
人(?)のを勝手に覗かないでよ。
と心の中で言う。もう諦めたけれど。
「確かに長いわね……」