「杏里、行くよっ!」 日向乃は、私の手を引っ張り、その女子軍をかき分けて先頭に立った。 チビな私は、スラスラと人と人との間を通り抜けることもできた。 「あっ!あの人だよ!」 日向乃が指差した方向には、背の高そうな男子がいた。 席に座ってたから、ほんとに大きいかわかんないけど。 「こっち向かないかなぁ…」 日向乃の目がキラキラしてる。 ん?? あれ? よく見るとあれって…。