桜ヶ丘高校の王子様




階段も、悠ちゃんが抱っこしてくれて、すんなり1階まで行けた。


私を抱っこして自転車に乗っけてくれて、家まで送ってくれた。

「ありがとね、今日1日。」

「別に。これから毎日こうなんだろ。毎回お礼ゆうきかよ。」

「うん!」

悠ちゃんは、私の頭をポンポンと叩いた。

「それにしてもお前、背伸びてねぇなぁ!」

「そんなこともないもんっ!」

「中1の頃からそんな変わってねぇだろ?」

「うっ…それは…。」

言い返せない。

「なんか、悠ちゃんばっかり大きくなっちゃって、遠くに行っちゃった気がしたんだよね。」

これは本音。
中2.3って悠ちゃんはすごく大きくなっちゃったし、顔も更にイケメンになっちゃって。
遠い世界の人って感じがした。