桜ヶ丘高校の王子様




4限で授業が終わると、悠ちゃんは、すぐに迎えにきてくれた。


「きゃーっ!空川君がきてる!」

クラスの女子たちが興奮してる。

「杏里!」

そんな女子を無視して、私の名前を呼ぶ。

私は、松葉杖でつきながら、ゆっくり悠ちゃんの元へ。


「大丈夫だった?今日、不便なことなかった?」

「大丈夫だよ!移動教室なかったし。」

「よかった。じゃ、帰ろうか。」

「うん!」

悠ちゃんは、私の荷物を持ってくれた。


「あの2人、付き合ってんのかな?」

「身長差やばくない?」

さっきまでキャーキャー言ってた女子がヒソヒソ言ってる。

「帰るぞ。」

悠ちゃんには聞こえてなかったのか、歩き出してしまった。

やだったのかな…。
私と付き合ってるって言われるなんて。