「階段って嫌い。」

階段の前で立ち止まる私。

「はあ?立ち止まってる暇はない!」

そんなこと言って、どんどん進んで行く日向乃。


「わっ、待ってよっ!」


私は、グタグタ言いながらゆっくり降りて行った。

丁度3階に到着。

「杏里、早くしなさーいっ!」

2階で私を睨む日向乃。

「分かったよぉー…。」

私が、階段を1段降りたそのとき。


「いーち、にぃ、さーん、し!」
『いち.に.さん.しっ!ご、ろく、しち、はち!』
と、野球部の集団の声がした。
そして、誰かが私の肩にぶつかった。