「席につけー。転校生を紹介するぞ。」


その先生の一言で、私はざわめく教室に入る。


教卓の前に立たされる私。


私は下を向いていたが、ぱっと前を向きにこっと笑った。


「若野 優(わかの ゆう)(16歳)です。今日からよろしくお願いします。」


みんなはこんな時期に珍しい転校生の私を見てざわざわしていた。


そう、私は、この新しい高校に転校してきた。


「みんな、仲良くしてやれよー。」


先生はそう言った。


「若野さんよろしくー!」


「仲良くしよーな!」


いろんな人たちはそう言ってくれた。


 みんな、はじめだけよ。


 結局裏切るんだもの。


 受け入れてなんてくれない。


私のこの笑みも


ニセモノよ。