どうやら、連れてこられたのは教室ではなくて裏庭のようで、少しは気を回してくれたようだ。井上先輩にしては珍しい。










「何お前振られるのが趣味なの?」








「………。」








いや、この先輩にはデリカシーというものはなかった。









「そんなわけないじゃないですかぁ!全部本気です、全力投球ですよ!?」








「それは、相当お前の男を見る目がないか、魅力が皆無かのどっちかだ」









はぁーやれやれとわざとらしく首を横に振る先輩を殴ってもこれ、許されるのではないだろうか。








「うぉっ!?お前、何するんだ!」






「ちっ…!よけないで下さい。井上先輩」









ひらりと避けるところがまた憎たらしい。こえーこえーとか笑いながら距離をとる先輩。