恋愛、友情。ときどき涙。2


「今まではそうしてきたかもしれない。
それで上手くいったかもしれない。
……だけどな、そんなのは本当の友達じゃない」

「っ………………!」

「……沢木、無意識の内にアイツに遠慮してたところあるだろ?
知らないうちにどこか一線引いて……自分とアイツは違うって……。
……そう思ってたんじゃないか?」


………思ってた。

人気者で明るくて友達もいっぱいいて……そんな音ちゃんはまるで私とは別世界の人みたいで。

初めて会った時から……そう思ってた。

きっと……今でも、そう……。


「……違わないんだよ。
何一つ、変わらない。
……アイツはいつだってお前のこと対等に見てた。
だから、上手くいかないんだよ」

「え……?」

「沢木が自分を卑下してるから。
矢崎とは違うって……そう思ってる限り、お前らが噛み合うことはない。
もしこの問題が解決したとしても、きっとまたすぐ歯車が狂うぞ。
……ずっとそうやって、噛み合わないままだ」


自分を見下してた……?

音ちゃんの隣には並べないと思ってた……?


……うん、そう思ってた。


そう思うのが当たり前で……

そうならなきゃおかしいって……心のどこかでそう思ってた。



でも……それじゃいけない……?

このままじゃ、私と音ちゃんは………。


……嫌だ。

いつまでもこのままなんて……そんなの嫌。