あたしが一人で泣いていると、ギィ……と重たい屋上の扉が開く音がした。


ビックリして顔を上げようとした……が、


あ……今、あたしの顔……


絶対酷いことになっている顔を思い、慌てて袖で涙を拭う……けど、涙は溢れてくるばかりで止まる気配を見せない。


どうしよう……とにかく、ここから去……


「……音羽?」


……あたしが立ち上がろうとしたその瞬間、大好きな人の声が聞こえた。


「っ……湊……先輩?」


先輩はあたしの顔を見てギョッと驚いたような顔をした。


「ちょっ……どうした!?
何があったんだ!?」


先輩はあたしの前にしゃがみこみ、慌てる。


「っ……せん……ぱい……」

「音羽……?」

「先輩っ……」


先輩の顔を見たら更に涙が溢れてきて、もう止まらなくて……


「っ……ぅっ……ひくっ……」


……先輩はそんなあたしを優しく抱きしめ、泣き止むまでずっとそばにいてくれた。