「久しぶりだな」
え……ちょっ……何で……。
何で先輩が……。
俺が目を見開きながら固まっていると、先輩はそんな俺を見て小さく笑った。
「海斗に会いに来たんだよ」
「え……」
俺に……?
何で………。
……ダメだ。
余計頭が混乱してきた……。
こんなにいろんなことをこのちっぽけな頭の中で悩ませたのは人生初だ。
もうとっくに許容範囲を超えている。
「あれ……そういえばお前、部活は?」
湊先輩が不思議そうにそう聞いてきた。
「え……あ、あぁ……。
……有給、ですかね」
とりあえずそんな冗談めいたことを言ってみる。
「有給って……。
あぁ……サボりってことか」
だけど、湊先輩にはそんなの通用しなかった。

