恋愛、友情。ときどき涙。2



……何やってんだよ、俺。

……カッコ悪。


沢木は俺のこと心配してくれてたっていうのに……。


本当、最悪だ。

自分で自分がこれほどまでに嫌になったことはない。



……もう帰りたい。

マジで帰りたい。

家に帰ってベッドにダイブして……そんで寝て、全部嫌なこと忘れたい。



だけど部活をサボるわけにもいかない。


いったいどうしたら……。


どうしたらいいんだよ……。



「……………………」


……俺はおもむろにカバンの中からケータイを取り出す。


電話帳を開き、ある名前のところで指を止める。


……その名前を見つめながら思う。


コイツだったら……コイツに全部話してしまったら……きっと楽になれるんじゃないか。

全部知ってるコイツだったら……何も言わずにただ俺の話を聞いて……最後にとびっきり明るい声で「大丈夫!」と一言だけ言ってくれるんじゃないか。


……俺は“ヤ行”の一番初めにある名前を見つめながら……少し胸が苦しくなるのを感じた。