恋愛、友情。ときどき涙。2



……掃除を終えて、俺はカバンを持って教室を出た。


あー……かったるい。


ちょっと前まではグラウンドまで走って行ってた気もするけど、今はそんな気にもなれない。


こんな自分に嫌気が差すし、何とかしたいとは思っている。


だけど、幼い頃に受けたショックは思っていたより大きかったみたいだ。


今なら大したことない、で済むのかもしれない。


でも、あの頃は本当にショックで仕方なかった。


……それを今になっても引きずってるなんて。


「……俺も案外弱っちいな」


そんなことを呟きながら廊下の窓の外に視線をやる。


……早く行かなきゃな。


分かってる。

分かってるけど……足が重くて……思うように動かない。


「……杉山君?」


その時、ふと柔らかな俺を呼ぶ声が聞こえた。


誰の声かすぐに分かって、俺は振り返った。