とは言ったものの……。
うーん……あたし、サッカー部のことはよく分かんないしなぁ……。
何を聞いたらいいたんだろ……。
陽太君と別れた後、あたしはそんなことを考えながら廊下を歩いていた。
「音羽?」
「あ、亜沙美」
偶然!
ちょうどいいところに!
「どうしたの?
珍しく悩んでるみたいだけど」
「あたしだって悩むことぐらいあるよ!」
失礼な!
「……ね、亜沙美。
一つ聞きたいことがあるんだけど……」
「何?」
「海斗って……クラスとかでどう?
何か変な感じじゃない?」
「杉山?」
亜沙美はんー……と少し唸ってからゆっくり口を開いた。
「特に変な感じはないけど……何かあったの?」
「な、何でもないよ!
ただちょっと陽太君と……その……探偵ごっこ!してるの」
「探偵ごっこ?
……何だかよく分かんないけど、あんまり変なことやって周り困らすんじゃないわよ」
「だいじょーぶ!
ありがと、亜沙美!」
あたしはそう言いながら亜沙美にブンブン手を振ってその場から走り去った。

