綾乃side

結局、私が杉山君と話をした後も音ちゃんと杉山君の関係は変わらなかった。

音ちゃんは相変わらず杉山君を避けたままだし、杉山君も何も言わない。


本当に……このままでいいの?


杉山君はこの方が音ちゃんへの気持ちを吹っ切れていいって言ってたけど……

でも……。


……私にはもうどうすることもできない。

その場の流れで杉山君に告白しちゃって……フられちゃったし。

フラれることなんて分かってた。

だって杉山君はまだ音ちゃんが……。


……だから、仕方ない。

仕方ない……そう思ってるのに。

……胸が苦しくなる。

泣きたくなる……。


「綾乃」

「……アサちゃん」


放課後、部活に行った音ちゃんと三上君を見送ってから……私は教室で一人ボーッとしていた。

そこへやって来たアサちゃん。

アサちゃんは私の前の席に座ると、小さく微笑んだ。