恋愛、友情。ときどき涙。2



……俺は陽太の指をどけると、それが何だと言わんばかりの顔を陽太に向ける。

すると、陽太は小さくため息をつきながら口を開いた。


「海斗ってさ、部活中にそんな怖い顔するヤツだったっけ?」

「怖い顔なんて……」

「してるよ。
ちょっと前まではバカみたいにはしゃぎながらサッカーしてたのにさ」


……夏休み前までの自分を思い起こす。

……確かに陽太や他の部員に混じっていろんなことしてたな。

でも……


「いつまでもそんなわけにはいかねぇだろ。
……それに」


俺はグラウンドに向かって歩き出す。

そして少し歩いたところで立ち止まり……振り返って軽く陽太を睨んだ。


「……こんな俺を部長に選んだのはお前らだろ」


……そう言い捨てて、俺は陽太に背を向けてまた歩き始めた。


「海斗……」


そんな俺を……陽太は複雑そうに見つめていた。