…あ、やっぱり。



佐々木が橘さんと話しながらもこちらに視線を送っているのが分かる。


結構怖い顔してるな…。


前は加藤と話してたら会話に加わることもあったのに、最近はそんなことも滅多にない。



そんなにみないでよね。
変な勘違いしちゃうよ?



だから、見せつけで
「ありがとう!」ってとびきりの笑顔を加藤に向けて、キットカットを受けた。


満足そうにする加藤と反対に、思い切り視線をずらす佐々木。



───どこで間違えたのかな。


私達の関係は、どちらも何も言葉を交わさないまま、最悪な方向へ向かっている。


でも、こんなに距離が開いたら声もかけづらいし。



私はどうすればいいのか分からないまま、受験の勉強だけは怠らないように取り組んでいた。