「晴華ー、ご飯!」


弟の呼ぶ声に我に帰る。

「はーい!」


私は大きな声で返事をした。


佐々木くんが笑顔でいてくれるためには、どうしたらいいのだろうか…。


これからも佐々木くんの近くで笑顔を見たい。


佐々木くんと今までのような距離感で笑っていたい。


そうすると……
想いを伝えるのは今ではないよね。


今、私達は受験という大きな壁があるから。


その壁を乗り越えようとみんな必死に、、一直線で向かっている。


佐々木くんも、その1人。
そんな彼の障害物になんて、例え私の存在が彼にとって石ころのようなものでもなりたくない。


だから───。


私はカレンダーに目を向ける。




今から、5ヶ月後。
受験を終えてから、かな。


私は、受験を終えたら佐々木くんに自分の気持ちを伝えようと心に決めた。