あ、浮き輪!




ガサゴソとバックをあさって


持って来た浮き輪を出す。




「朱莉?」


「待って!浮き輪膨らますから!」





ぷーっと息を入れるけど


…全然膨らまない




晴樹を待たせてるんだし


早く膨らんでよー!





「はぁ…貸して?」





そう言うなり


私の手から浮き輪を取って


晴樹が息を入れ始めた。




みるみるうちに


浮き輪らしく膨らむ。





パンパンになった浮き輪を


ん、と私の頭から被せる。





「うわ…ありがとっ」


「ん、どういたしまして。」