俺の後ろに朱莉が並んだ。



さっきからお互い黙ったまま。



すると


俺の腰に朱莉のパーカーを着た腕がまわってきた。




背中には


ぴとっとくっついた朱莉の体温を感じる。




人前でこんなことするなんて


めっちゃ珍しい。





「はるき…あのね。私だって不安だよ?」


「え?」


「晴樹は自分のこといっつも下に見てるけど、ほんとーにかっこよくて、モテモテだもん。
だから私だって、晴樹が他の子の所に行っちゃうかもって、いつでも不安だよ?」



朱莉がそんな風に思ってたなんて


知らなかった。



しゃべるたびに


俺の背中にかかる息がくすぐったい。





驚いて


返事をするのも忘れた。




「晴樹サンこそ、自覚して下さいね」


「…ハイ。」




ちゅっと


俺の背中にキスをして



朱莉が身体を離した。