「レン!」
胸ぐらを捕まれそうになった瞬間、サッと動いて背負い投げをする。
バンッ!
蓮夜が受け身をとれず床と衝突した。
「あ、」
「っ、いてぇ」
苦しそうな蓮夜のせいか、さっきより冷たい視線を感じる。
……なんだろう。
なんかあたし、犯罪者みたいに思われてないかい?
気のせい?気のせいだよね?
やっぱ……
「次蓮夜に手を出したら容赦しませんよ」
気のせいじゃなかった。
亮平のせいで体感温度が30度くらい下がった。……すごい寒い。
「ゴメ、いまのはとっさに手が出て」
「ごめんで済まされたら俺らはいらないわけ。
わかる?」
詩音に、ニッコリと、いわれた。
