「うるさいなぁ」 マスターの手を振り払う。 するとマスターはため息をついて自分の髪をかきあげた。 「もぅえーわ、勝手に行っとき。 黙って来なくなった思うたらこれなんやから」 「黙ってたのはどっち」 あたしがキッとマスターを睨むと、マスターは「はぁ?」という顔をした。 「あんた飛龍の総長だったの? 田中信一さん」