ヤンキーガール×ヤンキーボーイ


火具矢との戦闘は明らかに翔馬が有利だった。




翔馬は勝てそうだった。







だけど、事件はその時起こった。






「火具矢の幹部以上が翔馬の幹部の一人を人質にとって、山の方へ逃げ出した。」





あっという間の出来事だった。






喧嘩に夢中だった翔馬の人達は、バイク音と叫び声がきこえるまで気づかなかった。






当然翔馬は急いでそれを追った。






追いかけっこの果てに、



山のなか、川の近く、隣には崖。







そんな環境にまでおいつめられた火具矢の総長は、ナイフを人質の首に突き立てた。









浅く切れる首筋。








血。






焦った翔馬の総長は思わず火具矢の総長のところに飛び込んだ。







翔馬の総長は火具矢の総長を人質と突き放し、崖っぷちにおいつめる。





状況はあまりにも緊迫としていて、誰一人止めることができない。





翔馬の総長は火具矢の総長からナイフをうばう。









「そして総長はナイフをかすらせるつもりで降りおろした」








「そしてそれは刺さった。」






……避けようとして失敗した、火具矢の総長の左胸。