離れていく?
飛龍から?
そんなこと……考えたこともなかった。
だってまだ……出会ってから1週間もしてない。
まだまだこれからなんだって……逆に張り切ってた、というか……。
ただ……飛龍が……人を殺したりする……そんな族なら……、
すると、詩音がたばこにジッポで火をつけながら、まゆにシワを寄せたまま言った。
「正直、夏希ちゃんが飛龍の真実を知ってまだここにいてくれるっつー自信はねぇな、俺は」
「そうですね。僕もです」
亮平は疲れたような顔してる。
それを聞いたとたん、ガンッ!、
と、いきなり巧が壁を蹴った。
「そんなことしないだろ!なっちゃんは!」
「そんなの分からないですよ」
亮平の目が、鋭い。
「みんな!なっちゃんは「離れてくなら離れろ」」
「「「え(は)?」」」
目を見開くあたしたちに、連夜はつまらなそうに言い捨てた。
「離れたければ、離れてけよ。良い機会なんじゃね?
このままマジで俺らといるか、決めろよ」
