「うるさいっ詩音だって言うだろっ!?」
「俺は言わねぇよー
なんたって男の中の男だからな★」
「だまってろよタラシ」
「連夜さん!」
……うるせぇ。
あたしは無意識に龍に体を寄せてた。
それに気づいた龍はあたしの顔をのぞきこんで小さく笑うと頭をポンポンしてきた。
「これが俺らだ。」
その龍にはさっきまでの不機嫌オーラとか全然感じられなくて、
「……。」
「あーずるい!龍ばっかりなっちゃんにポンポンして!」
「巧もポンポンされてぇのかキモいな?」
「レンのバカ!ちげぇよ!」
「おっ?
龍さん積極的じゃねーの」
「っせ」
「詩音ってホンットケンカ売ってばっかだね」
あたしが呆れてそういうと、詩音はケタケタ笑った。
その作り出された笑いに、一瞬車内が凍った。
けど……
「俺ってSなのかも★」
「「「「え……」」」」
「ちょ、冗談だっての。
龍さんまでドン引きしないでくださいー」
車内はずっと騒がしかった。
あたしも……この中に入りたいって思ったなんて、絶対内緒。
いつか詩音にあたしを認めさせて亮平の女嫌いを治したいって思ったなんて……絶対内緒だから。
あたしはあったかい気持ちでみんなの顔を見渡していた。
思えば、この時のあたしは色んなものを忘れかけていたと思う。
この町に来た意義、とか、巧のあの青い顔、とか。
