「ユリ、ユーリ!」 「…し、おり?」 「もう。いきなり考え込まないでよ」 「ごめんなさい、栞。私の悪い癖ね」 「自覚しているなら、治すよーに」 はーい、と返事をして、最近買った腕時計をチラリと見る。 !!! 「ごめんなさい栞、私もう行かなくちゃ」 「ユリはいつも落ち着いてるのに、一つ焦るとこうだね。 …早く行っておいで。 どうせ、センセーのとこでしょ?」 栞の言葉を聞き終え頷くと、私は約束の場所へ走った。