神崎 繭璃。
俺のクラスの学級委員。 とにかく真面目で、周りからの信頼も厚いようだ。 真っ直ぐに手入の行き届いた黒髪に、人形のように整った顔立ち。 まさに、容姿端麗という言葉が似合うだろう。
それに加え、スポーツ万能とは言わないが、平均のはるか上をいく運動神経をもち、成績も常にトップクラスにいる。
彼女のような人間が、俺に手紙など送るのだろうか。
そんなことを考えているうちに、昼休みの終わりを知らせる音がなる。
「…行くか」
次はどこのクラスだったか。
確認し、俺は教室へ向かった。
手紙を、ポケットにいれて。

