放課後、私は玄関で美希を待っていた。
美希から、
「ちょっと待ってて。」
言われたが、中々来ない。
美希は、先生に呼ばれていた訳でもない。
止まらなく動く時計の針をずっと見つめる。
もう、30分も経っている。
探しに行こうかな…
そう思った時、朝に話し掛けられた数人の女子が階段から降りて来た。
私は、咄嗟に隠れてしまった。
また、美希の事を言われるかもしれない
という気持ちで。
「もー、あいつヤバいよね!」
「そうそう、ウチに告ってくるなんてさ!ちょっと仲良くしただけなのにさ〜」
甲高い女子の声が誰もいない玄関に響く。
「でもさ、あいつあのままで大丈夫かな?先生とかに怒られないよね??」
あいつ…って、誰?
美希のこと?
「ま〜、大丈夫でしょー」
去っていく女子達と笑い声。
もしかして…
美希に何かしたのかな…
早く行かないと!


