ねぇ、後ろを向いてこのまま走って。



ドア越しに背中合わせで、私達は泣きあった。

「私ね…。きっと美希と同じだったと思う…。幼馴染の女の子を好きになったんだ。それで、小5の時告ったんだ。

今でも、あの時の幼馴染のびっくりした顔が忘れられないんだ。

それから、噂は広まって…でも、私ね。
自分では何が駄目だったのか分からなかった。

女子は男子を、男子は女子を好きになるのが普通だなんて、分からなかった。

でも、周りは皆男子を好きになるから
私、おかしいのかなって……」

そう言うと美希は、落ち着いた声で言った。

「おかしくなんかない。そう、決めつけているのは周りだ。異性を好きになる事が普通だなんて…………
俺らにとっては、辛いよ………。」