ねぇ、後ろを向いてこのまま走って。


その声は、きっと教室中に響いただろう。

誰もいない夕陽が射し込む教室で、美希は叫んだ。

私は、ドア越しで聞いていた。

開かないドアの前で、私は涙を流した。