「もしもし…?香奈?」



電話してから一時間近く、ずっと話をしていた。



香奈も

「最低じゃん。多分、先輩のこと、好きなんじゃね?」



そして、先輩の体調も気になるからと言って明日は香奈も一緒にお見舞いに来てくれる。






次の日、病院に行くと待ち合い室で同い年くらいの女の子達が話していた。




私は聞いてしまった。





「ねぇ、次千春は誰をターゲット?」

「あ、なんか彼女のことを記憶障害で忘れたスッゴいカッコいい子がいるんだって〜」



マヂで〜!?
と、周りの子達が声を揃えて言った。




でも、その輪の中にはあの子はいなかった。





「どうせ、できないよ。早く病室行こう。」


「うん…」



香奈が私を引っ張ってくれなければ病室には行かなかったかもしれない…