またね…

「大輝ね…このネックレス、ずっと渡すの迷ってたみたい。これを渡したら俺以外の男と幸せになれないんじゃないか…って。でもね、やっぱり自分が生きていた証を美希ちゃんに持っていてほしかったみたいなの…。」




先輩は…



どこまで、バカなの?



先輩が生きていた証なんていくらでも私が持ってるのに…



本当に…



本当に…



先輩はバカだよ…





「美希ちゃん…。大輝はもうこの世にはいないけど、きっと私達の近くにいるよ。私も最初の頃は大輝がいない暮らしなんて考えられなかった。でも、最近わかった。命の意味を…。」



先輩のお母さんは泣きながら私に話してくれた。



「こうやって人と話すことや誰かと嬉しさを分かち合ったりするのもそう。たまには悲しいときもある。でも悲しいことがあるから楽しいときに思いっきり笑えるんじゃないかな。10のうちの9が悲しみだとしても残りの1は楽しみだよ。10ねうちの10なんてことはないんだから…」




私は枯れたと思っていた涙がいっぱい流れた。




「だから…もっと前向きに…大輝の分まで…人生を充実させよう。」




先輩のお母さんは泣いていたけれど私を真っ直ぐ見ていた。