私は重く口を開いた。
「私なんかの為に、そういう決断はしないで?」
「でも……。彩花の毎回辛そうなの見てたら、胸が痛いの」
 私は吐き出すように一気に話した。
「何を私に気を使ってるの? そういうのしないでよ。だって、毎日活動するわけじゃないんでしょ?」
「そりゃ、そうだけど。でも、浄霊って、思っている以上に体力も気力も使うなって思ってさ。どうやら、彩花は憑かれやすい体質らしいし。だから……」
「何、今更言ってるの? 始めたばかりだし、そんなの、御手洗に言ったらがっかりするよ?」
 彩花の言葉はごもっともで、私は、小さく頷く。
「そうよね。彩花の言うとおりだわ」
「でしょ? だから、今のままでいいよ」
「うん。そうだよね。あ、それより、お腹すかない?」
 私は、部屋にあるおやつボックスから、スナック菓子を出した。
「ちょうど、お腹すいていたとこだったんだ」
 スナック菓子の袋を開けて食べ始める。
 そんな時に、携帯のメール着信音が鳴った。
「御手洗からだ」
 私は、その場でメールを確認する。
―安東さんには、辛い思いさせてしまったから、心配なんだけど、大丈夫そうかな?-
「なんて書いてあったの?」
「彩花を心配してるって内容のメールだったよ。ちょっと返事返してしまうね」
 私はそう言って、返信した。
「なんて送ったの?」
「私がついているから、心配ないよって送ったよ」
「そうなんだ。つか、携帯、貸して!」