私は、彩花の肩を揺らす。
「ん……。もう家?」
 目を擦り、彩花が目を覚ました。
「そう。家に着くよ」
 私は、彩花に微笑む。
「この辺でいいかしら?」
 篠原さんは私の家の近くで車を止めた。
「有難うございます。彩花、降りよう」
「そうだね。篠原さん、有難うございました」
「いいえ。気をつけてね」
「はい、篠原さんこそ気をつけて帰ってください」
 私達はお礼を言うと、篠原さんの車から降りた。
「ねぇ、家に寄ってく?」
「うん。色々話もしたいしね」
 彩花は、伸びをしながら、私と一緒に家に来る。
「あのね、私はほとんどどんな事したのか覚えてないの」
「うん。わかってるよ、それは」
 私達は会話を続けながら家の中に入る。
「結局、あの少女の霊はどうなったの?」
「無事、成仏していったよ。初の浄霊だったけど、成功したよ」
 階段を上がりながら、会話を続ける。
「そうなんだ。じゃ、クラブ立ち上げてよかったね」
「そうそう。あ、適当に座って?」
 私は、彩花を部屋の中に入れる。
「相変わらず、綺麗な部屋だねぇ」
 ポフっと、ベッドの上に腰を下ろす彩花。
「そんな事ないよ。今回感じたのは、彩花がしんどかったんじゃないかって。だから、今回限りにしようかなって思うの」