『野田さんは、何をしているの?』
「彼女は今は、ごく普通のOLをしているわ。やっぱり、野田さんにも謝ってもらいたいのね?」
 真美が聞くと、祐美は頷いた。
「わかったわ。彼女に連絡を取って、もう一度、ここへ来る。そして、あの日の事を謝らせるわ」
『約束できる? 私は裏切られるのが嫌いなの。もし、裏切ったりしたら、永遠にこのまま、私はここに居続ける事になるわ。それから、貴女の前に現われて、嫌がらせもするかも…』
 祐美は意地悪な笑みを浮かべた。
「もう裏切ったりしないわ。だからお願い。貴女は成仏すると約束して」
『そうね。貴女が約束を守るのなら、私もその約束を守ってあげるわ』
 祐美は真美に約束という言葉を強調して言った。
「ええ、もちろんよ。この子達の前で約束したもの、守るわよ」
 真美がそう言うと、祐美は微笑んで、すーっ…と彩花の身体から出ていった。
 彩花は意識を失っているのか、グッタリしている。
「驚いた! まさか、噂が本当だったんんて……」
「僕たちも驚いてるんですよ。手当り次第、貴女を探すつもりでいたから。簡単に会うとも思ってなくて」
 御手洗は、苦笑いした。
「そうだったんだ。でも、少しは情報を集めていたんでしょ?」
「そうです。あ…、安東さんが目を覚ましたようだ」
 御手洗は、私の腕の中で目を覚ます彩花を見つめた。
「もう夕方よ。家まで送り届けてあげるわ。さぁ帰りましょう」


 真美に送って貰って私達は、お礼を言うと、御手洗と別れた。
「少し家に上らない?」