私が止めに入るも遅く、
「第一中学よ。もう廃校したけどね。それがどうかしたの?」
 真美は、彩花の質問に答えていた。
「噂あるんですよ。苛めにあって亡くなった女生徒が、彷徨ってるらしいって。あ、単なる噂です。気にしないでください。では」
 会釈して帰ろうとして、
「その噂、本当?」
 背中に声を掛けられ振り向いた。
「何か知ってるんですか?」
 私の質問に、
「母校だったから、気になるだけ」
 と、答えた。
「気になるなら、一緒に行きませんか?」
 彩花は、笑顔で聞く。
「忙しいから、無理ですよね、すみません。変な事聞いて……。さよならー」
 私は、彩花の腕を掴んで、早歩きする。
「いいわよ、行きましょう」
 真美は、途中まで一緒に、帰る事にしたそうだ。
 真美と、次の土曜日の昼に、公園で会う約束をして、私達は別れた。


 部活に行く生徒が、ちらほら見える。
「頑張ってるんだね」
 など、話していると、
「お待たせ」
 スポーティーな服装で真美は現れた。
「学校と雰囲気違いますね」
 私が言うと、普段着は、カジュアルなのよと笑って、車で来ているからと案内
され、私達は早速、真美の車で行く事にした。