「いいえ」
『二人を何とか説得して、ここに連れて来ても良いし、お参りに行かせてもいいわ。何か動きあったら報告ちょうだい?』
「わかった。近いうちにまた来るよ」
 こうして、私達は祐美と約束をして廃校を後にした。
 今回は、あまり彩花に憑いて無かったのか、彩花に疲れた様子はない。
 それでも、相変わらず、憑かれた時の記憶はないようだ。
「昼間が良いよね~」
 なんて呑気な事を言っている。
 そうだねと相づちを適当にうった。
「今日はどうする?」
「まっすぐ家に帰るかな……」
「そう? あ、一応、盛り塩をしておいて」
「よくわからないけど部屋に盛り塩して寝るね。じゃ、またね」
 私達は十字路で別れた。
 私は彩花が気になって、メールをした。
―いつもと変わりない?―
―変わらないよ? なんで?―
 そう返事がきたていつもと変わりない反応で、なんだかホッとした。
―ううん。何でもないよ。後で会おうね!―
 私は返事を返すと、学校へ行く用意をして寝た。
 翌日、簡単にご飯を済ませて家を出た。
「おはよう」
 彩花が私に気付いて挨拶をしてきた。
「おはよう、今日も学校終えたら活動するからね」
 私がそう言うと、彩花は嫌な顔をする。
「今のまま、祐美さんに憑かれて良い?」
「それは嫌!」