彩花が自己紹介しようとしたら、言葉を遮って、
「安東彩花さんだね。話は聞いてるよ」
　と、御手洗は笑顔で言った。
　それを見ていた私は、彩花のタイプなのだとすぐに分かった。
「望美、イケメンと、どこで出会ったの？」
　彩花は瞳を輝かせて聞いてきた。
「興味深いブログを見つけて、それで。同じクラスとは思わなかったけどね」
　私はくすくす笑った。
「カッコ良いならすぐわかるのに……」
　彩花はちょっと悔しがっている。
「自己紹介は終わった事だし、私の家に行こう？　もう下校時間になるし」
　時計を見ながら私は言った。
「望美の家、久しぶりだよ～。つか、御手洗も、一緒なの？」
　彩花は飛び付いてきた。
「離れなさいよ、もう～。それより帰り支度してよね」
　私は彩花の腕を振り払う。
「あー、はいはい。つか、帰る用意はもう終わってるんだけど」
　二人のやりとりを見ながら、
「二人は仲良しだな、羨ましい……」
　御手洗は、そう言って微笑んだ。
「恥かしいじゃない。アンタが、くっついて来るから……」
　そんな会話をしながら学校を出て、しばらく歩くと、私の家に着いた。
「ここが、私の家。何もないけど、どうぞ」
　私は玄関を開け、二人を招き入れる。
「綺麗な家だね。お邪魔します」
　御手洗は、爽やか笑顔で中に入る。
　彩花は、久しぶりだよ～と言いながら、中に入って来た。
「何か飲み物持って来るから、先に部屋に入ってていいよ」