メモと照らし合わせる。
「引き返そう? 名前聞かれたら終わりだよ?」
 彩花は不安そうな顔で聞いて来た。
「大丈夫よ。御手洗の話によると、同じ名字のクラスメイトが居たみたいだから。行くよ」
 私は、家の呼び鈴を鳴らした。
 やや間があって、中から人が出てきた。
「どちら様?」
「私達は今野さんのクラスメートなんです」
 そう言うと、曇っていた顔が少し晴れて、。
「まぁ、祐美のお友達? もしかして、お参りに来てくれたの?」
 そう聞いてきた。
「はい、そうです!」
「嬉しいわ。あの子もきっと喜んでるわ。さ、どうぞ」
 家の人は、私たちを家の中へ招き入れると、茶と茶菓子を持ってきてくれた。
「あの……部屋を見せてくれますか?」
「いいわよ」
 にこり笑って、そう言った。
 私達はクラスメートを偽り、仏間で、手を合わせると、祐美の部屋に行った。
「えーと……」
 メモを頼りに私達は祐美が必要としている物を探す。
「御手洗も、いつ話を聞き出したのやら……。あ、コレかな」
 机の引き出しから、小さなノートを出した。
 中をペラペラめくると、苛めの事が書いてある。
 私達は、それを手にすると、お邪魔しましたと言って、その家を出た。
―頼まれた物を持って来たわ。明日、また会おう―
 私は、御手洗にメールをした。
「誰にメールしたの?」