日差しがジリジリ肌に照り付けるこの日。
私は、学校のクーラーの無い教室で落ちこぼれたちが集まる補習授業を受けていた。先生の説明を聞きながら、風が窓を通り抜ける心地良さを感じていた。
 「海加(うみか)。ちょっと、先生の話聞いてるの?」
 ふと後ろから、友達の優菜(ゆうな)の声がして、後ろを振り向いた。友菜は、いつも私の事を海加と呼んでいる。
 「聞いてるよ。早く授業終わらないかなと思って」
 「なんでよ」
「屋上行きたいから」
 「ホント、そこ好きだね」
私は、前を向き黒板に書いてある英文法をノートに書き写した。