次の日------

『あんさ、東大寺って人知ってる?』
「あ-、確か1-Ⅱだよ」

なんで母さんはあっさとかゆう奴
しってる?

大丈夫ってなんだよ。

なんか訳有りな奴なのか??

『あ…コウ』

と後ろの方から小さく
囁くように言う人がいた。

『あ・いた…』

『?あたしのこと探してたの?』

…俺っていつもいらんこと言うよな。

『…うん』

『あたしも探してたから…良かったぁ』


と可愛く笑った。

この笑顔を…守る?

いやいやいや、それは妹。

『あ、でもまだ授業あるんだ』

『…放課後待ってるから、校門にいて』

わかったの代わりに笑顔で返した彼女に
なんだか変な気持ちになった。

{ピロピロピロ~♪

あ…携帯。

[非通知]

非通知??誰だろ…

『はいもしもし…』
「あ、コウさんですか?!○○病院ですが!!」

なんだか嫌な気配…。

「お母様がお倒れになりました!!
 今すぐきてください!!!」

風が ゴオッ と吹いた。