「お兄ちゃんッ」

かんなちゃんは

コウの方へと走った。


あたしも走りたい。

コウの傍へ行きたい。



コウ…あたしね、思い出したよ?



コウが助けてくれたこと

コウが慰めてくれたこと

コウが好きだよってこと



コウが…

   小さな約束してくれたこと




ずっと硬い鍵で閉められてた心。

今、あいたよ。

心のそこに眠っていた気持ち。


今、たくさんの時を経て

再び起きたこの気持ち。





『コウが好きだよ』