すぐに行くと妹がいた。

『かんな…ッ母さんは?!』
「おにいちゃぁぁんッお母さんがぁ」
『かんな…ッ』

「よぉコウ、大人ンなったなぁ~」

        『…ッッ父さん…』

ンだよ…こんな時にきやがって。

かんなは久しぶりのお父さんだからか
ぴったりとくっついていた。

『かんな…こっちきな』

「なんで?お父さん、久しぶり」

「可愛いなぁ、かんなぁ~」

        



頭をなでる姿が許せなかった。




『その手でかんなを触るな…』



親父は少しびっくりしたようだが
すぐ笑ってまた撫でた。

『触るなっていってんだろ?!』

「久しぶりに見た可愛い娘を撫でて
 何が悪い?
        コイツにとってお前は他人の癖に
         かっこつけたこと言うなや」

痛いとこ 突かれた。


俺とかんなは血が繋がってない。

かんなは父親の新しい女との子供。

でもすぐ親父と女は別れてしまい

かんなを母さんに渡した。

『かんなを手放したくせに…
 かんなだけじゃない…
 なんで母さんと俺を捨てた?!』


「…捨てたんじゃないさあ~」


『黙れ!!!母さんが倒れたのは 
 アンタのせいだろう?!なぁ?!』

「かんなは…いらない子なの?」

かんなが何の感情も込めてない
透明な声で言った。

『かんな…』

なんでこんなに真っ暗なんだ…?