「ごめん!お待たせ」
「ううん、間に合ってよかった」
新しい制服の颯太は、中学の頃よりすこしかっこよくなった気がした。
「美結が起こしてくれなかったら、俺もう学校行けなくなってたわ〜!ありがとね」
またにこって、わたしの好きな笑顔で笑う。
「わたしもお母さんに起こされて気づいたの。そういえば昨日入学式の話しなかっな〜って思って確認してみた」
「ほんと春休みボケしてたわ〜」
颯太の横顔を見たとき、わたしは期待と不安で心がいっぱいなことに気づいた。
いくら地元の高校だからって、知らない人が入ってこないわけじゃない。
人見知りにとっては、入学式っていう行事は憂鬱なのである。
でも卒業式ぶりに会う友達もいるし、すごく楽しみな気持ちもある。
颯太と同じクラスだったらいいなって気持ちもあるけど。
