昨日の夜、かかってきた電話。


《香澄先輩、明日空いてますか?》
「えっと……まあ……」
《それじゃあ、デートしましょう》


あまりにも突然の誘い。

少し前のあたしなら、何かと理由をつけて断ってた。


仮として付き合っているあたしたちだけど
決してそこに、「想い」なんてものはなかったから。


だけど三浦先生が結婚して、あたしを追いかけてきたあの時から……
あたしの中で、少しずつ颯太の存在が変わってきているのは確か。


だから休みの日に会うのも、悪くないかな、と思い、その誘いを受けることにしたのだ。