小悪魔な彼

 
(ちょっと!大丈夫!?
 今、保健の先生呼んでくるから!)
(はぁっ……はぁっ……)
(……)


ふいに浮いた体。

気が付けば、俺は心配して駆け寄ってきた先輩に支えられ立っていた。


(呼びに行っている間、一人になっちゃうのはさみしいもんね。
 あたしに体重いっぱいかけていいから……歩ける?)
(……は、い…)


保健室には無事にたどりついて、ベッドに横になってから意識を失った。


どれくらい眠っていたかは分からない。

だけど気が付くと……


(……あ…)
(気が付いた?)


さっきの先輩が、ベッドの横の椅子に腰かけて、俺の顔を見つめていた。


(願書、ちゃんと先生に言って出しておいたよ)
(……ありがとう…ございます…)
(先生ー!目が覚めたみたいですよー!)


その声とともに、保健室の先生が寄ってきた。

俺の顔色を見るとともに、こんなことを言い出す。