小悪魔な彼

 
「ここは……
 俺だけしか触れませんか?」

「当たり前」


この唇は、颯太だけのもの。

もう誰にも奪われたりしない。
隙なんか見せない。


「その代わり、颯太のもあたしだけしか触れちゃダメなんだよ」


同じように颯太の唇を人差し指でなぞった。


「はい……。
 誰にも触れさせなんかしません」


あたしは、自分が思っている以上に独占欲が強いのかもしれない。


本当は、颯太を誰の目にも触れさせたくなんかない。

だって颯太は、すぐに女の子の目を惹きつけてしまうから……。