小悪魔な彼

 
「香澄……」


ふいに後ろから感じる温もり。


それが颯太のものならよかった。


だけどあたしを抱きしめたのは……



「もう、いい加減甘えちまえよ」

「……猛…にぃ…」



ずっとあたしを想ってくれていた、猛にぃだった。