小悪魔な彼

 
今思えば、猛にぃはあたしの理想なのかもしれない。


年上で…
本当は優しくて……
頼りがいがあって……
包容力も……。


背も、ずっとずっと高い。


もしも小さい頃、いじわるされたことがなくて、今の再会があったら……
きっとあたしには、別の感情が生まれてた。



「香澄……」

「だ、だめっ……」


あたしは、顔を近づけてくる猛にぃに、顔をそむけた。