「あけましておめでとう!颯太」 「おめでとうございます。香澄」 年が明けた。 元日の朝に顔を合わす颯太は、昨日も会ったばかりだと言うのに、いつもと違って見える。 「なんだか照れくさいね」 「そうですか?」 「うん」 初めての、好きな人との初詣。 胸が躍っていた。 本当は、カウントダウンも一緒にやりたかったが、お父さんの許可が下りなくて泣く泣く断念。 いまどき、うちのお父さんは頑固おやじだ。